韓国映画を積極的に観るようになって四年ほど経つ。
最初に見たのはもっと前だったが、ハリウッド映画を見慣れた目には、安っぽく陳腐に思え、足が遠のいていた。
久しぶりに観たのが『レッドファミリー』だった。北朝鮮のスパイが一つの家族を装って韓国で暮らす話。
一昔前は、放送で『北朝鮮』なんて言えなかった。アンタッチャブルだからこそ知りたくなる。昔、テリー伊藤の『お笑い北朝鮮』を読んだことを思いだした。あれは名著だった。
『レッドファミリー』は予告でもお笑い要素がふんだんで時代の流れを感じたものだ。
さて本編。北と南の生活様式のズレや感覚に戸惑う様子や、夜にはカーテンを閉め将軍様の写真を見上げて忠誠を誓うシーンなど面白可笑しく描かれていたが、徐々に空気はシリアスになり、ラストは非情で、やるせなさに重い気持ちで席を立った。娯楽映画だと思っていたのにこれは一体なに?ただただ重かった。
韓国通の知人に話すと「その救いのなさが韓国映画なのよ。慣れて~」とお気楽な返事。
次に見たのが『テロライブ』。ニュースキャスターとテロリストの電話でのやりとりをニュースで中継するサスペンス。この映画はハリウッド映画並みの迫力とストーリーの緊迫感で圧巻。勧善懲悪と思うでしょフツー。またまたラストに救いがない!
くだんの知人に即刻報告。「だから言ったでしょフフフ……」。含み笑いが耳に残った。
ノワール。その優しい響きに誘われて韓国ノワール特集で上映された作品を数本観た。無知は本当に困る。ノワールとはフランス語で暗黒だった。
暴力、陰謀、裏切り、人間の持つ闇をこれでもかと見せつけてくる。強烈で容赦なく、切なくて苦しい。ああクセになる!これが韓国映画の魅力だったのか。
かつて息子に「アウトレイジはお母さんには刺激が強すぎる」と言われたが、成長した母を知らないな。フフフ……。含み笑いの意味が分かるのに時間がかかった。
《ちょっとだけの備忘録》
◎『レッドスパイ』、○『テロライブ』、△『特別捜査 ある死刑囚の慟哭』、△『犯人は生首に訊け』、△『哭声/コクソン』、◎『新世界』
